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Thursday, October 15, 2020

JRA秋華賞(G1)デアリングタクトの牝馬三冠を阻む「3つのポイント」とは? 父エピファネイアの「成長力」に疑問 - Business Journal

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 今週はいよいよ秋華賞だ。デアリングタクトが無敗の牝馬三冠馬となれるかどうか、競馬ファンはもちろん日本中が注目している。同馬を管理するのは開業5年目38歳と若手のホープ杉山晴紀調教師。そして主戦はデビュー以来同馬に乗り続けている松山弘平騎手。馬主はノルマンディーサラブレッドレーシング、生産者は長谷川牧場というチームだ。

 同馬は無敗で桜花賞とオークスを制したが、その内容はともに圧巻。強力なライバルは不在ということもあり、多くのファンや関係者は三冠濃厚と報じている。

 しかし、本当にデアリングタクトに不安はないのか。様々な要素をチェックすると、いくつかの不安要素が浮上してきた。ここではデアリングタクトの三冠を阻む「三つの壁」を検証してみた。


■鞍上の京都内回り重賞

 まず一つは、鞍上である。デアリングタクトの能力は誰もが認めるところ、しかし騎手は非常に重要だ。競馬は「馬7:騎手3」という例えがあるように、騎手の技量は結果に直結する。鞍上の松山騎手は確かにデアリングタクトを知り尽くしているが、今回秋華賞が行われる京都内回りコースに関してはどうだろうか。

 まず秋華賞の過去の成績を見てみると、これまで5回の騎乗ですべて敗退。そして秋華賞が行われる京都内回り芝コースの他の重賞レースを見てみると、意外なことが分かった。京都内回りで行われる4つの重賞レースでは、これまでに合計18度の騎乗で1勝、【1.0.0.17】という極端な成績で、勝率5.6%・連対率5.6%・複勝率5.6%と厳しい数字になっている。しかも敗退した馬には2頭の1番人気馬が含まれていた。

明らかに松山騎手はこのコースを苦手としている傾向にある。松山騎手がこのコースを克服できるかどうか、それは秋華賞制覇に向けて大きなポイントになるだろう。


■休み明け

 次に今回のデアリングタクトは、オークス以来の休み明けという点も見逃せない。秋華賞が創設されて以降、過去にオークスを勝利した馬が秋華賞に直行した成績を見てみると、5頭のうち2頭が勝利するも、残り3頭は2着にもなれず敗退しているのである。


◎オークスから秋華賞に直行で勝利したオークス馬
2006年 カワカミプリンセス⇒ 秋華賞1着
2018年 アーモンドアイ⇒ 秋華賞1着

×オークスから秋華賞に直行で敗退したオークス馬
1996年 エアグルーヴ⇒ 秋華賞10着
1998年 エリモエクセル⇒ 秋華賞7着
1999年 ウメノファイバー⇒ 秋華賞4着

 わずか5頭ではあるものの半数以上が敗退して勝率は40%。これはデアリングタクトにとってプラスのデータとは言えまい。確かに初出走の新馬戦を勝利し、エルフィンSも桜花賞も約2~3か月の間隔で勝利している。それだけにレース間隔は問わないタイプだが、夏を越しての調整は通常とは比較にならないほど難しいと言われている。ましてや今回は約5か月ぶりのG1レース。杉山厩舎として本格的な3歳クラシック参戦は同馬が初めてだけに、その手腕が問われるところだ。


■父エピファネイアの成長力

 さらにデアリングタクトの父エピファネイアにも触れておきたい。昨年新種牡馬としてデビューし、今年もすでに55勝と好調。しかし京都競馬場の芝コースは、すべての競馬場の芝コースで相性が悪い。勝率6.6%は函館の6.5%に次ぐ下から2番目で、連対率18.9%はワースト。そして京都コースの重賞は【0.0.1.4】と2着もないのである。

 さらに全体の成績が、昨年と比較して勝率12.8%→8.5%・連対率24.3%→17.4%・複勝率31.7%→26.9%と、今年になって大幅にダウン。同じ新種牡馬のキズナは、昨年と比較して勝率10.2%→10.1%・連対率19.5%→18.2%・複勝率28.2%→25.3%と減少幅は低い。

これがエピファネイア産駒の成長力を示すデータであれば、デアリングタクトにとって気になるポイントだ。

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