イノウハ、ヤッパリ宇宙人ダ。フリーエージェント(FA)権を行使してDeNAから加入した巨人・井納翔一投手(34)が那覇キャンプの25日、中日との練習試合(那覇)に先発し、移籍後初の対外試合で3回1安打無失点と好投した。宮本和知投手チーフコーチ(57)も仰天の「宇宙人フォーク」を不意に投げるなど奇想天外な投球で、開幕3戦目が予想される先発ローテ入りへ前進した。
相手のみならず、味方も幻惑した。“衝撃の1球”を織り交ぜた井納が、移籍後初の対外試合で実力を示した。
「立ち上がりはリズムが悪かったが、何とか0点に抑えられた。調子は悪い方だが、それなりに投げることができた」
一回1死で京田に右越え三塁打を許したものの、終わってみれば3回1安打無失点。カットボール、カーブ、フォークボールの多彩な球種を駆使した。「ゴロアウトは僕の中でベスト」と9個のアウトのうち6個を内野ゴロで奪い、S班での調整の成果を披露した。
つかみどころがない性格で「宇宙人」が愛称の右腕が、味方ベンチを驚かせたのは三回2死、岡林に投じた2球目だ。得意球のフォークボールがまるでチェンジアップのようにフワッと落ち、見逃しでストライクに。ベンチで仰天した宮本投手チーフコーチは、戸惑いを隠せなかった。
「(井納に)お前、ブルペンで1球も投げてねえじゃんて言ったら、『宇宙人フォークです』って。『アノボール、ナゲロ』みたいな宇宙からの交信があるんじゃないですか。宇宙人についていくので僕も必死です」
意図的なのか真相は不明だが「あんな球はいつでも投げられるんです」と笑った右腕は、ステイホテルの時間も“交信”が癒しだ。部屋では愛妻の助言で購入したアロマセットを使ってリラックス。夜は子供と「マリオカート」でオンライン対戦する。3児の父は「離れていても、子供に何かしてあげられたら」と優しいパパとしての一面も持つ。
原監督は「今日は非常に思っていた通りのパワーピッチャーの投球でよかった」と高評価した。開幕3戦目となる3月28日の古巣、DeNA戦(東京ドーム)での先発が有力視される右腕。井納の武器は、底が知れない。(樋口航)
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