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Thursday, February 17, 2022

坂本花織、涙が「ビックリとうれしいでブワーッと」あふれた銅メダル「諦めずにやってきてよかった」 - スポーツ報知

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◆北京冬季五輪 ▽フィギュアスケート(17日・首都体育館)

 女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)3位の坂本花織(21)=シスメックス=は、153・29点、合計233・13点の共に自己ベストで銅メダル。日本女子で2010年バンクーバー大会銀メダルの浅田真央以来4人目となる表彰台を決めた。団体戦、SPに続くほぼノーミスの演技を披露し、ドーピング問題に揺れたカミラ・ワリエワ(15)=ROC=を上回る得点を挙げ、団体戦の銅メダルに続く快挙を成し遂げた。

 最終滑走のワリエワの点数が出た。坂本の名前は、3位の位置に変わらずあった。涙が一気にあふれ出た。「ビックリしたのと、うれしいのとでブワーッと。諦めずにやってきてよかった」。日本女子では浅田真央以来4人目のメダリストになり「まだ実感わかない。一緒の立場にいて大丈夫なのかな」。完成度で勝負し、ROC3強の壁を突破した。

 トルソワが4回転を5回着氷し、会場がどよめいた。「本番やってくることは分かっていた」。動じることなく自分の滑りに集中し、やりきった。今度は坂本の後を滑ったシェルバコワが高得点。「さすがだなって。4位になると思った」。上位3選手はグリーンルームと呼ばれる部屋で待機しなければならない。シェルバコワが終わった時点で樋口新葉が去った。「すぐ行くねー」と手を振ったが、まさかの展開が待っていた。

 幼少期から指導を仰ぐ中野園子コーチ(69)は、坂本のことを「戦友」と呼ぶ。「必死になって怒れる。2人で必死に闘っている」。リンクで気持ちをぶつけ合う。坂本は中野コーチのことを「厳しめのママ」と慕う。叱られどなられ、泣きながら食らいついてきた。その中野コーチは、この日のメダルを「運です」と断言した。「努力が運を引き寄せた」とたたえた。

 中野コーチが言ったことがある。「細くて美しく滑る人が多い。ただ、花織のように力強く豪快に滑る選手は少ない。コロナ禍だから、みんなスカッとしたものが見たいはず」。4回転やトリプルアクセルはなくても、スピードとダイナミックなジャンプがある。スケーティングスキルは全体トップの9・46点。世界が坂本を評価した。

 昨年、貸倉庫を借りた。賞状、盾、メダルが増え、実家に飾りきれなくなったからだ。古い靴も、過去の衣装も収めた2畳半の“坂本花織記念館”。「よう、こんな衣装着てたな」「こんなにメダル取ってたんや。どえらい数やな」。4歳からの歩みを思い返した。3位だった団体戦は、ワリエワ騒動の影響でまだ授与式が行われていない。「正直、すぐにもらえてうれしい」。18日のセレモニーで、スケート人生一番のメダルを首にかける。(高木 恵)

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