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Sunday, May 3, 2020

連携し存続の道探る 資金難に悩む伊賀の地域イベント - 中日新聞

昨年の「つつじ祭」では、平安時代の行列を再現した柘植の斎王群行が中高生らによって披露された=伊賀市柘植町の余野公園で

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 伊賀市内で数十年以上続いた地域のイベントが、相次いで中止に追い込まれている。といっても、新型コロナウイルスの感染拡大が原因ではない。資金難や高齢化による担い手不足で運営が難しくなったためだ。住民交流の場として、にぎわいをもたらしてきた祭りや催し。一部住民からは「新型コロナウイルスが終息した際には、皆で協力していいものをつくりたい」と、存続を探る動きも出ている。

 昨年十二月、同市柘植町の余野公園で毎年五月に開かれる恒例行事「つつじ祭」の中止が決まった。ツツジの名所として知られ、約一万五千本が見頃となる中、多い時で二万人が来場。一九八八年に始まった地域の一大イベントだった。

 阿山地域では、十一月の「けんずいまつり」が三十年近い歴史に幕を下ろすことに。「けんずい」は地元の方言で間食を意味し、農作業が一段落ついた後、顔を合わせて収穫を喜ぶ機会だった。青山地域では「青山高原つつじクオーターマラソン」が今年の開催を見送っている。

 こうしたイベントの中止には、市の地区振興補助金が使えなくなったことが大きく影響している。補助金に頼らない運営を促す市の方針で、二〇二〇年度から廃止された。

大鍋料理が名物だった「けんずいまつり」=2018年11月、伊賀市川合で

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 「資金繰りが厳しく、やむを得なかった」。つつじ祭を主催してきた余野公園保勝会の清水一利さん(78)は肩を落とす。経費二百五十万〜三百万円のうち、半分を補助金でまかなってきた。ここ数年、積み立てを切り崩していたが、「限界が来てしまった」という。

 けんずいまつりは資金難に、担い手の高齢化が追い打ちをかけた。名物の大鍋料理をはじめ、準備はかなりの重労働。運営に関わる住民が年々減り、四月に行ったアンケートでは八割が存続を望まなかった。地元まちづくり協議会の東山さおりさんによると、実行委のメンバーは六十代以上。「働いている人も多く、負担が大きかった」と話す。

 一方で、存続に向けて複数の地域イベントが連携をし始めた。市の地区振興補助金に代わって、本年度から始まった「絆づくり補助金」は地域をまたがった取り組みが支給対象。補助金に頼ることにはなるが、運営・企画での人繰りを通じ、より広い地域での結びつきが可能になる。

 柘植地域では、単独で行っていた複数のイベントに近隣同士で運営メンバーを出せないか、話し合いを進めている。各イベントでブースを出し合うことも検討中で、関係者は「一度やめてしまえば、また腰を上げるのは難しい。交流を深めれば、防災などにも役立つ」と思い描いている。

 (河野晴気)

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