未明の夜空を彩る花火が照らす大集会。その派手な演出とは裏腹の謙虚な姿は、現状の過酷さを表しているのだろう。
北朝鮮を一党支配する朝鮮労働党が創設から75年を迎えた。その演説で、金正恩(キムジョンウン)・党委員長は自らのいたらなさをわびるとともに、涙ながらに国民らへの感謝の言葉を重ねた。
北朝鮮はいま、「三重苦」にあるといわれる。
国際社会による経済制裁は続いている。頼りの中国からの輸入は新型コロナのため激減するなか、台風など相次ぐ災害にも見舞われている。
独裁国家で絶対的存在の金正恩氏が、それでも民に求めるのは、外部からの支援をあてにしない自力更生であり、増産運動のための労働強化である。
だが本当に人々の暮らしを上向かせたいなら、それほど過重な負担を強いる必要はない。
莫大(ばくだい)な資金をつぎ込んでいる核やミサイルの開発をすぐに断ち、国際社会の一員として責任ある行動をとることこそが、課題を解消する早道だ。
しかし、金正恩氏は今も現状が理解できていないようだ。
演説の後に始まった軍事パレードでは、新たな長距離弾道ミサイルとみられる兵器などを、次々と登場させた。
米国に対し、演説では名指しを避けつつも、新型兵器の技術力向上をみせつけることで牽制(けんせい)しようとしたのだろう。
一方で、北朝鮮は米国を直接刺激するような挑発は自制している。代わりに短距離弾道ミサイルを相次いで発射しており、日本や韓国の安全を脅かす事態が続いている。
金正恩氏ら北朝鮮指導部はいま、来月に迫った米大統領選挙の結果に神経をとがらせているにちがいない。
その結果を見極めて、内外の重要課題への対処方針を決めるつもりのようだ。北朝鮮は来年1月に最高指導機関である党大会を予定している。
父の金正日(キムジョンイル)政権下では開かれなかった最重要行事だが、現政権では4年前に続き2度目となる。次の党大会では、新たな経済の長期計画を示すとされる。
問題はその中身だ。米国の次の大統領がだれになろうと、大量破壊兵器を温存したままでは、制裁から完全に逃れることはできない。金正恩氏との友好関係を強調したトランプ大統領ですら、最近は関心がすっかり薄れたようだ。
またぞろ軍事挑発で国際社会の耳目を集める振るまいに走るならば、経済苦境はさらに増すばかりだろう。
金正恩氏は自国を取りまく状況を冷徹に見すえ、現実的な判断と行動をとるべきである。
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October 15, 2020 at 03:00AM
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(社説)北朝鮮の苦境 再建の道は非核だけだ:朝日新聞デジタル - 朝日新聞社
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