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このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、理化学研究所、北海道大学の研究チームは「頬動作を検出するマスク型デバイス」を開発した。マスクの内側に布型のセンサーを取り付け、頬を膨らませた際の接触を検出することで、頬の動きでクリック操作を行える。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、ハンズフリーのユーザーインタフェースの重要性が高まっている。視線や音声といった主流な入力方法がある中で今回は、マスクを装着した状態で頬の動きを利用したユーザーインタフェースを提案する。
頬の動きを検出するために、マスクの内側に通気性を備えた布型の静電容量型センサーを貼り付けた。マスクの両端部分に取り付け、ユーザーが頬を膨らませた際に、その部位に身体が触れることに伴う静電容量の変化を検出する。
これにより、マウスのクリック動作に相当するコマンドが実行できる。センサーはマスクの両端に取り付けているため、右側の頬の膨らみを右クリック、左側の頬の膨らみを左クリックに設定した。
今回、視線入力装置と一緒に使用するデモンストレーションを行った。視線入力でマウスカーソルを動かし、クリックの際にはマスク型デバイスによる頬入力を行う。これによって、これまで視線入力のみだと時間がかかっていた決定動作をより高速に行えた。
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