岐阜県郡上市白鳥町の住民有志が、隣接する福井県大野市との県境をまたぐ旧道「越前美濃街道油坂峠」の再整備に乗り出した。越美油坂会と名乗り、かつて美濃を追われ越前を目指した戦国武将の明智光秀が通ったとされる峠道を活用し、両地域の交流促進を見据える。
峠道は両市を結ぶ国道１５８号の旧道脇から延び、全長は１キロほど。標高約８４０メートルの油坂峠を越える街道の難所として、１８８９年に油坂トンネルが貫通するまでは美濃と越前を往来するために使われていた。
地元住民の間でも認知度が低く、岐阜県側で本格的な整備が行われたのは約２０年前にさかのぼる。雑木や雑草がうっそうと茂り、所々で倒木が行く手をふさぐなど荒れ果てていた。
両県を結ぶ中部縦貫自動車道の整備が進む中、ＮＨＫ大河ドラマ「麒麟（きりん）がくる」の放送が重なった。会は光秀ゆかりの峠道をきっかけに県域を越えた相互交流を図ろうと、地元住民７人で８月下旬に発足した。
９月２９日には会長の瀬木重瀰さん（８０）ら全員が自前の草刈り機やのこぎりを持ち寄り、初の整備作業を行った。頂上付近では、江戸時代の豪商で布屋原酒造場（同町白鳥）の３代目当主原佐次郎が掘ったと伝わる湧き水「蝶々（ちょうちょう）清水」に浮かぶ落ち葉を、１２代目当主原元文さん（６０）が掃き出した。
会は今後、市の補助などを受けながら専門業者に補修作業を委託し、安全対策を実施。１１月上旬には一般の人を交えた初の催しとしてウオーキング大会の開催を計画している。瀬木さんは「まずは峠道の魅力を多くの人に知ってもらい、地域間の交流を深めたい」と意気込む。
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October 01, 2020 at 07:43AM
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光秀が越えた峠道再整備 郡上市、旧道を草刈り - 岐阜新聞
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