クリスマスイブの西宮市の球団事務所に、母国・ベネズエラに帰国中のスアレスから、熱いメッセージが届いた。
「またタイガースの一員として、戦えることをうれしく思います。来季こそは、このチームメートのみなさんと一緒に優勝ができるように、チームの勝利に多く貢献できるように頑張ります」
阪神との合意の正式発表後、さっそく力強く「V宣言」。オフの補強が進むタイガースだが、守護神残留も、紛れもない「補強」だ。
ソフトバンクから移籍1年目の今季は51試合に登板し、防御率2・24。今季限りで引退した藤川球児氏に代わってクローザーを務め、25セーブでタイトルを獲得。それでも、小さいころから憧れていた米大リーグ挑戦を視野に、阪神を自由契約になっていた。
球団も引き留めに必死だった。2年契約で年俸2億6000万円とみられる破格の条件で合意したが、スアレスの心を動かしたのは、なにより矢野監督の熱意だった。
「(シーズン終了後)最後に、あいさつに来たとき『スアちゃん、一緒に日本一になろうよ』と全力で伝えたからね」
思いが通じた。オンライン取材に応じた指揮官は声を弾ませると、来季の起用法について「今ここで決められることは、スアちゃんは後ろ(九回)しかない」とすぐに明言。絶大な信頼を示した。
これで2021年の投手スタッフは固まった。新たに日米通算95勝を誇るチェン・ウェイン投手(35)=前ロッテ=と韓国最多勝右腕のラウル・アルカンタラ投手(28)=前韓国斗山=が先発陣に加わり、厚みを加えた。そして自慢のブルペン陣も九回はスアレス、セットアッパーには左腕の岩崎、岩貞、右腕のガンケル、エドワーズらが揃い、16年ぶりの優勝を狙える盤石の布陣となった。
「アメリカや(日本の)他球団という選択肢があった中で、残ってくれて本当に大きい。(退団して)いなかったら誰かを(クローザーに)と考えないといけなかったんでね」
3年契約最終年となる来季が勝負の年となる矢野監督にとって、最高のクリスマスイブとなった。(三木建次)
◆クローザー固定でリリーフ柔軟に
クローザーが固まれば、リリーフ陣は柔軟にフル活用できる。矢野監督は「(他の固定は)別にね。八回を(岩崎)優にしないとダメだということもない。勝手にそうなっていくかもしれないしね。あまり七回にこだわる、八回にこだわるというわけではない。いろいろな状況、パターンを考えながら」と起用法を語った。岩崎、岩貞を中心に、ソフトバンクから自由契約となった加治屋も加わるブルペンは来季も虎の武器だ。
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