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Saturday, August 29, 2020

カジダンへの道 「できる上司」の妻に褒められ育つ|WOMAN SMART|NIKKEI STYLE - 日本経済新聞

総合商社で毎日深夜まで働いてきました。「イクメン」という言葉も聞かなかった1990年代。共働きだったので妻にすべて任せるわけにはいかないと、見よう見まねで家事や育児を分担するように。商社の関連会社で社長を務めていた頃は、部下の家事・育児と仕事の両立を応援する上司「イクボス」の先駆けとして、メディアにたびたび取り上げられました。

社長退任と同時に商社を早期退職し独立。男性が家事・育児や地域活動に自然体で参加できる社会を目指し、支援に携わっています。息子もいまや社会人1年生。私が毎朝弁当をつくって持たせるのは変わらない我が家の日常です。

家事や育児は結構頑張ってきたつもりでいました。しかし今回連載を引き受けて改めて考えてみると、妻がどう思っているか聞いたことがありませんでした。いや怖くて聞けません。

父親の子育てを支援するNPO法人ファザーリング・ジャパンの理事を10年以上も務めている身ではありますが、理想の父親が100点なら、私の自己評価は結婚当初が40点、子どもが生まれてからのピーク時でも70点。ただもし妻に聞いたらいずれも30点程度は低くてもおかしくありません。

何せ25歳までは実家住まい。海外駐在時は賄い付きの社宅にいました。家事は母に言われて包丁でリンゴをむいていた程度でほとんど経験なし。妻と付き合い始めた頃は風呂場の掃除を怠って排水溝から水が逆流したり、冷蔵庫の奥にもはや別物となった野菜の残骸を放置したり。ゼロどころかマイナスからのスタートでした。

そんな落第点だった私が曲がりなりにも家事や育児を頑張っていると周囲の目に映るようになったとすれば、妻に育てられたからだと思います。できる上司に上手に導かれている感覚です。

我が家は家事の役割分担を大まかには決めていますが、原則できる方がやることにしています。それで自然と私の役割のひとつになったのが朝の弁当づくり。もう10年以上になります。腕は未熟でも家族にはできるだけ手料理というのが私の信条。でも時間はかけられない。四苦八苦するうち、段取りを考えるのが楽しくなりました。任せてくれた妻に「おいしい」と褒められ、うれしくなり、さらに工夫という循環も。役割分担で夫婦平等にこだわりすぎたら、続かなかったかもしれません。

3年前からは妻が単身赴任となり、夕飯づくりや掃除の効率化をはじめ新たな家族分担の形を模索しています。大変な分、成長を見守る楽しさもある子育てに比べ、家事は義務感が大きいといわれがちですが、そこに楽しみを加えるように意識したいですね。経験で得た時短術から仕事との両立まで、私なりの家事との向き合い方を紹介していきたいと思います。

川島高之(かわしま・たかゆき)
1964年生まれ。慶応大学卒業後、三井物産に入り関連の上場会社社長に。家庭と仕事の両立を実践し「元祖イクボス」と呼ばれ、講演多数。著書に「職場のムダ取り教科書」など。

[日本経済新聞夕刊2020年8月25日付]

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