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Monday, October 19, 2020

全国的に珍しい「県庁所在地の駅前温泉」復活…高速道開通で客足戻った温泉も - 読売新聞

 JR鳥取駅から西約10キロにあり、「鳥取の奥座敷」と呼ばれた吉岡温泉(鳥取市吉岡温泉町)。一時は客足がピーク時の1割以下まで落ち込んだが、新たな日帰り温泉施設のオープンや、近くに鳥取西道路のインターチェンジ(IC)が完成したことから、かつてのにぎわいを取り戻しつつある。

 開湯は平安時代とされ、1980年代には年間40万人を超える客が訪れていたが、施設の老朽化や後継者不足で旅館の廃業が相次いだ。しかし、鳥取西道路の吉岡温泉IC開設計画が浮上したのに伴い、老朽化した共同浴場を移転・新築しようとの機運が高まり、吉岡温泉町自治会が県などの補助を受けて、約2億円かけて整備し、2018年4月に同温泉会館「一ノ湯」をオープンさせた。

 19年5月に同ICを含む鳥取西IC―青谷IC間(17・5キロ)が開通すると、数年前には入湯客数が約2万5000人まで減っていたが、19年には同会館だけで約8万5000人が訪れた。「この町に嫁いできた16年前と比べると、信じられないぐらいの人出」と松浦聡子館長(41)。「鳥取砂丘から来ました」「白兎海岸でサーフィンをした帰り」と周辺の観光スポットから立ち寄る人や、県外からの客が増えているという。

 また、一ノ湯では、吉岡温泉が抱えていた集客面での課題の解決を図っている。湯量が豊富な同温泉は源泉掛け流しが基本で、泉温が約50度と高いのが特徴。しかし、肌がヒリヒリするほどの熱さにはまるリピーターがいる一方で、その熱さを敬遠する人もいた。

 そこで、一ノ湯では、ぬるめの浴槽を設置。松浦館長は「ぬるいお湯のおかげで、子どもから大人まで、さらに幅広い世代のお客さまに来てもらえるようになった」と手応えを感じている。

     ◇

 鳥取駅周辺も「鳥取温泉」と呼ばれる温泉地だ。県庁所在地の駅前に湧く温泉は全国でも珍しく、繁華街や住宅街の中に6軒の旅館・ホテルと公衆浴場4か所が点在する。

 温泉の発見は1904年と歴史は浅く、山陰線敷設工事の作業員宿舎で飲用井戸を掘削中に偶然、温泉が出たという。旅館や浴場がそれぞれ敷地内に温泉井戸を持っているものの、湯量はそれほど多くなく、鳥取温泉旅館ホテル組合の小谷文夫組合長(67)は「各井戸の湯量に見合ったつつましい経営をしている」と話す。

 それだけに、新型コロナウイルスの影響は大きく、小谷組合長の経営する「観水庭 こぜにや」(25部屋、定員70人)も宿泊客は「緊急事態宣言が出された4月は前年同月比で9割減。5月も同比7割減」で、予約がない日は休業することもあったという。

 同組合では、政府による観光支援策「Go To トラベル」や、飲食店を支援する「Go To イート」を弾みにしようと、11月から鳥取温泉の旅館・ホテルでの宿泊や飲食に使える独自のプレミアム付きクーポン券を発行する予定。小谷組合長は「鳥取の日常に溶け込んできた温泉。街全体を盛り上げるきっかけになれば」と期待している。(安恒勇気)

 ◆吉岡温泉/鳥取温泉 吉岡温泉は高温の単純泉。962年(応和2年)に見つかったとされ、江戸時代には鳥取藩主・池田家の湯治所になった。吉岡温泉町自治会が運営する「一ノ湯」は、藩主専用の「一乃湯」にちなんで名付けられた。鳥取温泉はとろっとした透明な湯が特徴で、泉温は45~55度と井戸によって異なる。駅前にある立地から、ビジネス客の利用も多い。

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October 20, 2020 at 07:44AM
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