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Thursday, October 8, 2020

【かんぽ営業再開】信頼回復の道は険しい - 高知新聞

 日本郵政グループが約1年3カ月ぶりに保険の営業を再開した。
 傘下の日本郵便やかんぽ生命保険による大規模な保険の不正販売に区切りを付け、失墜した「郵政ブランド」の立て直しを図りたい考えだろう。しかし、信頼回復の道は険しいと言わざるを得ない。
 不正が起きたのは、かんぽ生命保険が日本郵便に委託した保険販売。旧契約を解約して新契約に乗り換えさせ、顧客に新旧の保険料を二重払いさせたり一時的に無保険の状態に陥らせたりした。
 深刻なのは不正が常態化していたことだ。
 不正契約の疑いは2019年3月までの5年間で18万3千件に上る。このうち虚偽の説明をするといった法令違反や、家族を同席させずに高齢者と契約するなどの社内規則違反は計3600件を超えている。
 ただし、これがすべてではあるまい。本紙が報じた事例がそれを物語っている。
 県中部の高齢の女性は2014年までの約8年間、郵便局員の働きかけで23人もの架空の人に保険を掛けさせられ、計約4050万円の保険料が支払われていた。女性は2018年に亡くなったが、悪質な契約は女性の息子には知らされていなかった。
 一連の不正では顧客の大半が高齢者である。県内ではどれほど被害が広がっているのか。知りたいところだが、日本郵政グループは地域別の被害を明らかにしていない。
 地域住民に対して、被害の実態の説明責任を十分果たしているとは言えない。そうした状態で、地域密着をうたう営業活動を再開して理解が得られるだろうか。
 日本郵便とかんぽ生命の懲戒処分は1200人を超え、懲戒解雇となった者もいる。調査は続いており、処分対象者はさらに膨らむことが必至とされる。引き続き全容解明を進める必要がある。
 不正を生んだ要因として、郵便局員が乗り換え契約に伴う手当の獲得や営業ノルマの達成に走ったことが挙げられている。営業不振者には社内で土下座させるといったパワハラも横行していた。
 日本郵政の増田寛也社長は営業再開後は顧客へのおわび訪問から開始し、当面は積極的な保険勧誘はせず販売目標も設けないとした。
 当然だろう。顧客本位のサービスよりも自社の利益を優先する企業体質が改まらない限り、信頼回復は見込めない。
 電子決済サービスを悪用したゆうちょ銀行の貯金不正引き出しは200件を超えている。被害総額は5千万円近くになっており、さらに増える可能性がある。この問題でも発生の公表や対応が遅れて被害が拡大した。日本郵政グループの立て直しは容易ではないだろう。
 日本郵政が再出発をアピールするポスターには「すべてを、お客さまのために」とある。言葉通り、顧客軽視の体質と決別できるかどうかが問われている。

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October 09, 2020 at 06:00AM
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