経済産業省は17日、総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会を開き、菅義偉首相が10月に表明した「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」との目標達成に向けた議論を始めた。会合では経産省の事務局が「実質ゼロ」の実現について「再生可能エネルギー、原子力の最大限活用」を提案。有識者の委員から明確な反対意見は出なかった。50年以降の原発活用方針が政府の既定路線になりつつある。(妹尾聡太)
◆8人が原発の必要性認める発言
分科会は国の全てのエネルギー政策の土台になるエネルギー基本計画の見直しを議論する場。基本計画は来年夏にも改定されることが見込まれている。
この日は、政府が10月に「実質ゼロ」の目標を打ち出して以降、初めての会合。事務局は50年に向けて「さまざまなシナリオを想定」しつつ、実質ゼロの実現には「脱炭素技術として確立した再エネ、原子力を最大限活用すべきではないか」と、今後の検討の枠組みを提示した。
委員24人の中で明確に脱原発を訴える識者は少数。この日のリモート参加を含めた出席者のうち少なくとも8人は、二酸化炭素(CO2)の排出が少ない原発の必要性を認める趣旨の発言をした。
地球環境産業技術研究機構の秋元圭吾氏は「原子力も活用しなければカーボンニュートラル(実質ゼロ)を達成することは非常に困難だ」と指摘。経産省の元官僚で日本エネルギー経済研究所理事長の豊田正和氏は「原子力もゼロカーボンで貴重なエネルギーだ」と主張した。さらにメッキ加工会社、日本
◆原発新増設や建て替えへ勢いづく自民党と経済界
50年以降も原発を利用するなら、新増設や建て替えが前提になる。政府は「現時点では想定していない」と繰り返すが、首相は10月に「安全最優先で原子力政策を進める」と演説。代表質問で「原子力を含め、あらゆる選択肢を追求していく」と答弁した。
こうした発言を背景に自民党や経済界は勢いづいている。今月11日の自民党内の会合では、新増設や建て替えを有力な選択肢だとする意見が続出。経団連も9日に示した新成長戦略に、原発の活用や新型炉開発の推進を盛り込んだ。
◆「国民的議論が大切」けん制する意見の委員も
しかし、現状では原発建設に国民の理解が得られたとは言えない。東京電力福島第一原発事故後、重大事故への対策強化を求めた新規制基準に適合し、再稼働したのは9基。現行のエネルギー基本計画は、30年時点で必要な電力の20~22%を原発で賄うと想定するが、現時点では数%の電力供給にとどまっている。
一方、30年時点で22~24%とした再生エネについては既にほぼ目標に達している。この日の分科会でも拡大策が議論された。安定した電力供給が難しいといった課題も示されたが、主力電源として育てていくことに反論は出なかった。
委員の中には、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会の村上千里氏のように「電源構成を検討するには国民的議論が大切だ」と述べ、原発の推進をけん制する意見もあった。村上氏は将来、全ての電力を再生エネで賄う可能性についても「検討してほしい」と訴えた。
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2050年以降の原発活用は既定路線? 「一つの大切な道だ」有識者委員から肯定的意見相次ぐ - 東京新聞
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